1章:7話

闇との対峙

それでは、クライマックスフェイズに入ります。
あなた方達は、1日目にMG速報で集合場所として示された児童公園に集まりました。

現在時刻

現在時刻は深夜0時少し前。
集合した公園に人影はない。

「ふぅ……長い3日間だった」

「どきどき……夜の公園って、なんだかわくわくしますね!」

「秋恵くんは呑気だな……っと、他の皆は?」

シャロンが周囲を見回すと、よしのが車椅子を押して歩いてくるのが見える。
車椅子に乗せられているのはらうたの様だ。

「お待たせしました。ムニサさんは今、健康状態の最終チェックを行っているようです。」

「そうか……間に合うと良いが。
……っ、ら、らうたくん……!」

「ぅぁ……あ、ぅ……」

らうたの四肢は車椅子に縛り付けられ、固定されていた。
目は虚ろで光を灯しておらず、全身から漏れる汗や体液によって病衣は各部が濡れた状態になっていた。

「ら、らうたお姉ちゃん!」

「これは……酷い。『脱落』も『解放』も、男性のせ、せいえきも受け入れないと……
こういう状態になってしまうところだったのか……」

「らうたさん……もう少しです。あとちょっとだけ我慢して下さい」

「もうやだぁ……なんで、なんで……わた……しが、こんな……目に……」

その時、空間がじわりと歪む。
集まったヒロイン達には最早見慣れた光景であり、誰も驚くものはいなかった。
らうた以外のヒロイン達は静かに変身し、戦闘に備える。

コロナ「くすくす。なぁに皆、怖い顔して集まっちゃって」

「でたな……魔族め!」

「2日目の朝に会って以来か……久し振りだな」

コロナ「あれから随分色々あったみたいねぇ。
ひょっとして、誰も『脱落』しないんじゃないかと思ってがっかりしてたのよ。」

「下らない雑談をするために集まったわけではありません……
直ぐにこの下らないゲームを終わらせなさい」

よしのは弓を構え、コロナを威嚇する。
戦闘態勢に入る様子も見せず、コロナはやれやれと言った表情でヒロイン達を見回す。

コロナ「はいはい。鬼の勝ちで終了ね。おめでとう。
くすくす、武衣栄市のアイドルとやらが随分いい顔になってるじゃない。」

「あ……ぁ……ぅ……」

コロナ「私としては、快楽に歪んだ顔のほうが好みなんだけど……
まぁ、必死に耐える顔も嫌いでは無いわ。さぁ、卵を消してあげる」

夢魔の少女はらうたの下腹部を指でなぞりあげる。
下腹部から淡い光が起こり、らうたの全身の汗が引いていった。

「あ……は……はぁ、はぁ……」

「らうたさん……」

「これで、晴れて全員『解放』されたわけだな……」

「鬼ごっこ」の結果

蔦梨らうた―解放

ゲーム期間中脱落させられること無く生き残った。
3日目の夜に無事解放。

シャロン=ホークス―解放

3日目の夕方、解放条件と脱落条件を同時に満たしたことにより解放。

倉田秋恵―解放

3日目の夕方、解放条件と脱落条件を同時に満たしたことにより解放。

藤森よしの―脱落

2日目の夜、何者かにキーワードを言い当てられ脱落。

ムニサ=アラギ―脱落

2日目の深夜、のぞみにタッチした際、間違ったキーワードを発言してしまい脱落。

のぞみ(NPC)―解放

3日目の昼、解放条件と脱落条件を同時に満たしたことにより解放。

ひかり(NPC)―解放

3日目の昼、解放条件と脱落条件を同時に満たしたことにより解放。

つばさ(NPC)―脱落

1日目の昼、自らのキーワードを発言してしまい脱落。

こだま(NPC)―脱落

1日目の朝、何らかの理由により脱落。

「え……え……? わたしの、その、消えてない……」

「鬼ごっこ」が終了したことに一同は胸を撫で下ろす。
魔族への警戒は解いていないものの、明らかにその場を安堵の空気が包んだ。
しかし、不意に空間が再び歪む。先ほどの歪みより大きく空間が揺れ、中から馬頭の魔族が現れた。
頭は馬、体は筋肉質な男というそのいびつな姿は、「鬼ごっこ」が始まった時に、夢の中で見知らぬ少女を強姦していたその魔物に違いない。

リオン「コロナお嬢様よー。これでお嬢のゲームは終わりだろ?
今度は、俺がこのヒロイン食っちまっていいよな?」

「夢の中で見た、お馬さんの魔物!!」

「リオン……だったか。
くっ、これは形勢が悪いな……」

コロナ「おいたしちゃだめよ。今回はすっごく面白かったんだもの。
……まあ、この子たちが戦いたいと言うなら止めないけど」

コロナはヒロイン達を一瞥し、にやりと笑う。
リオンはコロナに逆らえないらしく、不満気にヒロイン達の出方を伺っている。

「あんなこと言ってるよ! お姉ちゃんたち!
魔族はやっつけなきゃ!!」

「落ち着くんだ、秋恵くん……相手の実力もわかっていない。
折角無事にゲームを終わらせられたのに、ここで敗北しては……」

「そうですね、強力な魔族が二人……
魔族は絶対に許せませんが、流石に分が悪い様に思えます……」

ヒロイン達が及び腰で相談を続けていると、後ろでバキッと何かがへし折れる音がした。
驚いた3人が後ろを見ると、拘束具を車椅子ごと破壊したらうたがゆらりと立ち上がり、魔族を鬼の形相で睨みつけていた。

「なめんじゃないわよ……よくも散々好き勝手してくれたわね……」

「……らうたさん!? もう動けるんですか?」

「行くわよ……秋恵。あのゴスロリ女、泣かせて這い蹲らせて謝らせて
この私に下らない悪戯をしたことを永遠に後悔させてやるんだから……!」

「は、はい! 魔族め! よくもやってくれたな!  これはおかえしだあああ!」

「ふざけんじゃないわよ! このおおお!!」

二人は声を荒らげ、魔物へと突っ込んでいく。
巨大な盾を構える重戦車と、俊敏な拳闘士。最早彼女らを止められる者は誰も居なかった。

「……え、あ……ちょっと」

「う……まっ……」

リオン「ハッハー! そうこなくっちゃなあ!」

コロナ「あらあら、くすくす」

活き活きと戦闘態勢に入る二人と慌てふためく二人。そして不気味な笑みを浮かべる二体の魔族。
そこにもう一つの気配が加わる。

「おーい、『自爆の魔法少女』ムニサちゃんがやってきたよー」

「ムニサお姉ちゃん! もう負ける気しないね!」

「ムニサさん!? もう大丈夫なんですか?」

十分に休息をとった結果、よしのとムニサはHP半分で復活できるとします。

HP変動:ムニサ、よしの

十分に休息をとった為、HPが回復した。
ムニサ HP(1) → HP(13)
よしの HP(1) → HP(12)

「だいぶ休憩したしたから、たぶん大丈夫なんだと思う。……たぶんね」

再開を喜ぶヒロイン達。だが、そんな光景を見てもコロナの笑みは消えない。
それどころか、ふらりとリオンの後ろに下がった後、ポケットからスマートフォンを取り出し、いじり始めた。

コロナ「折角の見せ場なのに、誰も観客が居ないんじゃ興ざめよね。
ヒロインと魔族が戦闘中。近くの人は見に来てね、と」

「なっ……一般人を呼び寄せている!?」

「うふふ、衆目も集まって丁度いいじゃない。
トップアイドルになる私の華麗な戦闘術、見せてあげるわ!」

夜の公園に、5人のヒロイン達が揃う。
一度は砕け散ったその絆であったが、その美しい破片は再び一つに集まり、巨大な闇に対峙しようとしていた。

「らうたさん……元気になられたようで良かったです。
今なら教えて頂けますよね? 鬼に課せられた特別なルールを……!」

「……はぁ?」

「え……? い、いえ、らうたさんが我々を裏切らなければいけなかった
何か特別なルールが存在していたんですよね?
誰も『脱落』させることが出来なければ、鬼の敗北……とか」

「何言ってんのアンタ。特別なルールなんてないわよ」

「えっ」

「鬼が他者と違ったのは、他人を『脱落』させても『解放』されないだけ」

「え、ぇ……? それじゃ、私は、一体何であんな目に……
こ、コロナ……? なんか、特別なルールが、あったん……ですよね……?」

コロナ「ないわよ」

「ないって言ってるでしょ」

「ないだろうな。そういう性格だ、らうたくんは」

「…………」

特別なルール

ない。

よしのは無言でらうたに弓を向け、弦を引き絞る。

「ち、ちょっと! またやるつもり!?
いいわよ、受けて立とうじゃない! 今度は不意打ちされたわけでも、体調不良でも無いんだからね!」

「貴女を信じた私が馬鹿でした……!
裏切りには制裁を、今度こそ一撃で撃ちぬいてあげます!」

「お姉ちゃんたち! 喧嘩はやめてよ! 魔族が目の前に居るんだよ!」

「おー……やっぱりらうたちゃんが犯人だったの?
おぉ怖い、くわばらくわばらー」

「ムニサくん……やはり気付いていたか」

「ふん、私がやったって証拠がどこにあるってのよ。
あんたは私の顔を見ていない。証拠も何にも無いくせに、勝手に犯人扱いはやめてよね!」

「この期に及んでまだ開き直りますか……!
もう許しません! 例え同じヒロインと言えども容赦はしません!!」

リオン「お、おいお前ら! やるのかやらないのかはっきりしろよ!!」

一つに集まった絆の結晶は、5分と持たずに砕け散った。
完全に混乱した場でリオンが必死に自己主張を行い、脱線した話をどうにか元に戻そうとする。

「……まずはあの邪魔な魔物を倒すとしますか。
貴女への尋問はその後にするとしましょう、らうたさん」

「病弱もやしっ子に何が出来るっていうのよ。
アンタは私の後ろからこそこそ弓でも撃ってなさい」

「大丈夫なのか……このパーティー……」

「なんとかなるでしょー。気楽に行こう、気楽に」

「大詰めです! 頑張りましょう! えいえいおー!!」

決戦

では、クライマックスバトルに入ります。
敵はリオン一人のみです。

陣形

[リオン]

前衛

後衛

「何よ、コロナ。アンタは戦わないの?」

「ら、らうたくん……挑発するのはやめるんだ。
ただでさえ得体の知れない敵だというのに……」

コロナ「くすくす、参加しないわ。私はもう十分に満足したもの。
リオンちゃんの活躍に期待するわ」

「くっ……」

それでは開戦します。開幕スキルはありますか?

トラップがないなら、ないなー

では私がウィークポイントを使用します!

よしの:ウィークポイント

よしのMP:10 → 4
対象:リオン
リオンの防御点 -6

よしのがリオンに向かって手をかざし、青白い光を放出する。
光はリオンの表面にまとわりつき、リオンの魔力障壁を中和しているようだ。

ウィークポイント

使用タイミング:開幕
能力分類:なし
消費MP:6
射程:あり
対象:単体
この魔法は自動成功する。
使用した戦闘の間、対象の防御点を使用者の知力の値だけ減少させる。

「この魔法は避けられません。
最初の戦闘では使いませんでしたが、上位の魔族であるあなたには容赦しません!」

リオン「ちっ、うっとおしい!」

「魔力の流れは断たせて頂きました。これで致命傷は免れませんよ?」

「凄い! よしのお姉ちゃん、こんなことも出来るんですね!」

リオンのキャラクター情報

階級 ナイト
属性 獣/技/風/美 IV 14
DP 52 MP 7
体力 4 運動力 10
知力 3 魔力 5
攻撃力 2D6+10 防御点 4
属性
特殊能力
[炎]被ダメージ+5
[氷]被ダメージ-5
【運動力】依存の魔技の消費MP-1
【IV】+2
《人間擬態》:0
魔技 《スピードスター》:0
《マインドシーカー》:0
《アヴォイド》:1
《魔獣の爪》:3
《マルチアタック》:特殊

「流石……エージェント候補生。戦闘の申し子みたいな能力だ」

「(あれ使われてたら、さすがの私でも危なかったわね……)」

「ご心配なく、らうたさん。この魔法は対魔族専用です。
魔族のような心の持ち主にも、もしかしたら効果があるかもしれませんけど」

「誰のことかしら。澄み切った心の持ち主である私には関係無いわね」

「どの口が……」

それでは行動順番を決定します。
リオンのIVは14なので、まずはリオンから行動ですね。

なっ……!? 先行できないじゃないか……

行動順番

リオン 14
シャロン 12
秋恵 9
よしの 8
ムニサ 8
らうた 2

その……わたし、IVで先行出来ないと……お役に立てないかもしれないです……

実は……俺もだ……

ラッシュ

使用タイミング:能動
能力分類:白兵・射撃
消費MP:3
射程:適宜
対象:単体
判定に2つダイスを追加する攻撃。シャロンと秋恵が共に所持している。
但し、相手よりIVが高くないと使用出来ない。

誰よ! こんなのと戦おうとか言った奴!

あなたですよ……

では、リオン先行です。
リオン「5人相手か……面白れぇ、食いごたえありそうだな!」

リオン:通常攻撃

対象:秋恵
固定値(10) +=ダメージ(15)

秋恵:アヴォイド

秋恵MP:11 → 9
運動力(4) + = 10
回避失敗

らうた:シールド

らうたMP:6 → 3
ダメージ(15) – 魔力(4) = ダメージ(11)

リオンは、勇んで突撃してきた秋恵に照準を合わせた。
大きく拳を振りかぶり、その小さな体に向けて容赦の無い一撃を放つ。

「きゃうっ!?」

「危ない、秋恵!!」

秋恵は回避を試みるが、自ら突っ込んでいく体制であったのと、大柄な体型から予想だにしない速度で放たれた一撃に驚き、足をもつれさせてしまう。
同じく前衛の位置にいたらうたが素早くシールドを張るが、リオンの攻撃は思った以上に強力であり、秋恵のタイトアーマーはずたずたに引き裂かれてしまう。

秋恵:ダメージ

胸AP(12) – ダメージ(11) = 胸AP(1)

「あ、危なかったです……」

「気をつけなさいよ、アンタちっちゃいんだから」

「ありがとうございますっ、らうたお姉ちゃん!」

さて、怒涛のPCターンです。
まずはシャロンからどうぞ。

「ごーごーだよ、シャロンちゃん!」

「やっちゃいなさい、ボサボサ!」

「ボサボサ……まだ言うか……
まぁいい、デッドポイント!!」

シャロンは銃を構え、光り輝く弾を放つ。

リオン「こんなちっこい弾当たらねぇよ!」

リオンは素早い身のこなしで、射線から体を逸らした。
しかし一度外れたはず輝く弾丸は、不自然な軌跡を残しながら曲がりくねり、リオンの体の周囲を回る。
5回、10回と回った後、最終的に弾丸はリオンの眉間に喰い込んだ。

シャロン:デッドポイント

対象:リオン
シャロンMP:8 → 5
武器(4) + 知力(5) + =ダメージ(16)

リオン:アヴォイド

運動力(10) + = 13
回避失敗

リオン「ぐああぁっ!? 畜生、油断していたっ!」

「よし、命中だ! 1日目は無様だったが、こいつはどうだ!」

リオン:MP消費

リオンMP:7 → 6

リオン:ダメージ

ダメージ(16) – 防御点(0) = ダメージ(16)
リオンDP:52 → 36

ダイスの目に油断が見え隠れしてるねー。

さて、お次は秋恵。

「秋恵……大丈夫?」

「うん、大丈夫! 魔族なんかに負けないもん!!」

秋恵の体中が巨大な魔力に包まれる。
ここまでに受けた恥辱と心の傷が、怒りの魔力となって全身から吹き出していた。

お、おおぉ……!? す、凄い魔力だ……!

ポテンシャル……心の傷を受けたヒロインが、その痛みを力に変える奥義ですね……!

リオン「く……お嬢! 参加しろよ!」
コロナ「いやーよ。さっきから言ってるでしょ、私もう満足してるんだもの」

「よくもやったなぁ、こんのぉお!」

秋恵:ポテンシャル

秋恵CP:4 → 0
次の判定時にダイス4つ追加

秋恵:通常攻撃

対象:リオン
武器(2) + ) = ダメージ(19)

リオン:アヴォイド

運動力(10) + = 17
回避失敗

周囲の空気を鳴動させながら秋恵が飛び込む。
リオンは自慢の俊足で攻撃を回避しようと試みるが、秋恵の速度は魔族の目にも捉えられない程であった。
隙だらけの腹部に秋恵の小さな拳がめり込む。3メートル近くはあるだろうと思われる魔族の巨体が宙に浮き、大きく後ろに吹き飛ばされた。

リオン「ぐごあぁぁあああ!!」

「どうだっ、参ったか!!」

リオン:MP消費

リオンMP:6 → 5

リオン:ダメージ

ダメージ(19) – 防御点(0) = ダメージ(19)
リオンDP:36 → 17

「凄いな……秋恵くん。あの体で、魔族を圧倒している」

「何よ、弱いじゃない。この様子だと、2日めの朝にアンタとあった時
さっさとぶん殴っときゃ解決も早かったみたいね。コロナ。」

「同感ですね。こちらの方が分かり易かったです」

ポテンシャル

仕様:特殊
判定分類:任意
CP:任意
射程:なし
対象:自身

このCAは、堕落判定を除いたあらゆる判定に大して組み合わせる事ができる。
他のCAと同時に組み合わせる事も可能。
判定のダイスを振る直前に使用を宣言する。
任意の量のCPを消費し、直後の判定において+(消費したCP)D6の修正を得る。

コロナ「くすくす。修練が足りないんじゃない、リオンちゃん?
あなた、夢の中で堕落しすぎて、魔力の質が落ちたでしょう」

リオン「く……く……!!」

「畳み掛けますよ、ムニサさん!」

「おーけー。では、サンダーエンチャント!
対象、よしのちゃんの弓。ごー!」

ムニサ:サンダーエンチャント

対象:よしの
ムニサMP:6 → 3
雷属性付与、武器による攻撃の判定にダイスを1つ追加

ムニサがよしのに向かって雷を放つ
雷は弓に蓄電し、青白い光を放ち始めた。

「行きます! 名づけて、サンダーマルチプルスナップ!

よしの:マルチプルスナップ

対象:リオン
よしのMP:4 → 0
武器(4) + + = ダメージ(14)
武器(4) + + = ダメージ(11)

リオン:アヴォイド

運動力(10) + = 17
回避成功!

リオン:アヴォイド

運動力(10) + = 20
回避成功!

よしのは弓を引き絞り雷の矢を放つ。
雷を纏った弓から放たれた矢は、もはや矢というよりも雷そのものと化していた。

「おぉ! お、おぉ……?」

しかし、その矢はリオンの体から大きく外れた場所に着弾してしまう。
素早く、そして細かく移動するリオンに対し、よしのは上手く照準を合わせることが出来なかった。

リオン「ハッハー!! ハズレだ!
悪いが、直線的な攻撃じゃこの俺を捉えられねぇ!」

「あ……うぅ」

「サンダーマルチプルスナップ……」

リオン:MP消費

リオンMP:5 → 3

「よしのちゃーん……しっかり狙ってー」

「アンタ、私に当てた時のあの勢いはどうしたのよ! ちゃんと狙いなさいよ!」

最後はらうたです。

攻撃ってのはこうやんのよ! 避けてみなさいよ、馬頭!!」

らうた:ヘビーアタック

対象:リオン
らうたMP:3 → 0
武器(4) + 体力(6) = ダメージ(19)

リオン:アヴォイド

運動力(10) + = 20
回避成功!

リオンに飛びかかり、手に持った剣で渾身のジャンプ斬りを見舞う。
風圧すら感じさせるほどの凄まじい剣撃であったが、やはりリオンの速度を捉えきれない。
剣撃は地面にぶつかり、周囲の土ごと大地をえぐり吹き飛ばした。

リオン「ヒュー、危ねえ危ねえ……」

「避けられた……」

「…………」

「…………」

「お、おう」

ヒロイン達が戦っていると、周囲が騒がしくなってくる。
どうやらコロナが呼び出した人間が集まってきたようだ。

「……なんだか人が集まってきてるのだが」

「後ろの性悪魔族が呼び出した人間たちのようですね……」

「くすくす。折角女の子たちが戦ってるんだもの。
誰にも見せないのは勿体無いでしょう?」

「魔法少女の力の見せ場だね!」

「みんなー! マジカルヒロイン、ラウターだよー!
応援よっろしくねー!!」

「いぇーい、ぴーすぴーす」

「やめてくれないか……」

しかし、周囲の人間たちの様子がおかしい。
目は虚ろであり、獣のような息遣いでヒロイン達を品定めしている。

「あ……あれ……反応悪い……」

「これは……操られていますね……
犯人は、おそらく……」

では、2ターン目からダイスの目分の人間が参戦します。
ダイスの目は3なので、3人の人間が戦闘に参加しました。

人間の参戦人数

= 3

「おい、どんどん増えてるじゃないか!」

「こ、怖いです……」

既に公園は50人以上の男達に取り囲まれていた。
深夜とは思えない熱気に包まれ、異様な光景がヒロイン達を疲弊させる。

コロナ「みんなー、踊り子に触ってもいいわよー」

コロナの声を合図に、男達がゾンビの様にヒロインに襲いかかる。
津波のように襲いかかるそれに反撃することも出来ず、ヒロイン達は男達の海に飲み込まれてしまった。

「うわっ……やめろぉっ……撃ち抜かれたいかっ……!!」

「ちょっと、聞いてないわよ! おさわり禁止!!」

「そう簡単にっ、触れると……うひぃ!」

更に、コロナが呼び寄せた人間達によってウィッチハントのトラップが形成されます。
トラップ回避判定を行って下さい。目標値は【運動力】で12です。

トラップ:ウィッチハント

DP 30
発動 維持
対象 シーン
回避判定 毎ターン開始時に回避判定
【運動力】目標値12

洗脳された等の理由でヒロインたちを襲う一般人の群れ。
ターン開始時に判定が行われ、失敗するとターン終了時に6点のダメージを受ける。

相手が一般人だけに倒してしまうわけにもいかない。
何とかして彼らを操っている魔力的なからくりを破らなければ!

ヒロインクライシス・トラップより引用。

運動で12が目標……か。

12……はかなり厳しいですね。

運動力……判定……だと……

「そんなんじゃわたしには触れないよ!」

秋恵:運動力判定

運動力(4) + = 達成値(12) 成功


One Response to '1章:7話'

  1. 匿名 says:

    誰かを脱落させなければ全員脱落する・・・とかだったららうたの面目も保てたのにw

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