1章:2話

プレイヤー

ゲームマスター
・モノクロ

プレイヤー
克曇満
めいす
おれつえー
こんにゃく
・名無しドッター

5人の少女達は、吸い寄せられるように武衣栄学園へと集まった。
しかしそれを待っていたかのように現れる魔物。
少女達はその気配を感じ取り、討伐へと向かう。

戦闘

らうたのオープニングからミドルフェイズへ移行します。
戦闘に参加するプレイヤーはゲームに登場してください。

ミドルフェイズ

オープニングが終わり、クライマックスが始まるまでの間にあるフェイズ。
主に探索や情報収集、雑魚敵との戦闘が行われる。

変身して登場!
「魔族め、わたしが相手だ!」

登場

そのシーンに参加することを登場と言う。
基本的に近くに居る者が登場する権利を持っているが、中にはGMとの交渉次第でとんでもない手段での登場が認められる事もある。また、登場するために判定を必要とするルールもある。

もちろん至近なので参加するわ!
「やってやろうじゃない!」

高等部から駆けつけます。
「魔族は一人残らず殲滅します!」

同じく高等部から駆けつけよう。
「む……路地裏の少女と同じ症状な様だな……」

こいつら、夢の中で見た面子ね……
見た感じ、ヒロイン同士戦う様な連中じゃなさそうね。まずは、キーワードのヒントを探さないと……

変身して戦闘モードへ。
「触手かー、可愛くないな……」

「可愛い、可愛くないの問題では無いのだよ……」

5人のヒロイン達は魔物と対面した。
触手の魔物も身に迫る危機を感じ取ったらしく、奇妙な鳴き声で彼女らを威嚇する。
魔物は触手の部分のみを犠牲者の股間から出しており、本体はまだ腹の中に残している様だ。
淫靡に光るそれを蠢かせる度に少女は絶頂を迎え、様々な液体を体中から滴らせている。既に快楽は限界に達し気を失っているようだが、触手は動きを止めることはない。条件反射のように身体は痙攣を繰り返している。

「な、なにこれ……! お姉さんのお股から、魔族が……」

秋恵、クライシスアクト発生

倉田秋恵、《つい見てしまう》を宣言。
CP 3→4
SP 3→4
胸0 腰0 尻0 口0 痛0 心3→4

目の前で起こっている淫らな出来事に対し、あなたは目を背けようとする。しかし、心の中にふと芽生えた興味、そして淫欲は、つい魔が差すように目をそちらへ向ける。

ヒロインクライシス・クライシスアクトより引用。

「う……なんて惨いことを」

「これ、この子……すんごい顔しちゃってるけど……き、気持ちいいのかな?」

「紫のキミ、どこかで見たことある顔だが頭が弱いのか?ああなりたくなければ戦闘の準備をしたまえ」

らうた、クライシスアクト発生

蔦梨らうた、《無垢なる純情》を宣言。
CP 1→3
SP 1→3
胸0 腰0 尻0 口0 痛0 心1→3

あなたは、年齢に比しても、性的な知識に疎く、純情にして無垢だ。どろどろとした性の世界を初めて直視したとき、その衝撃は計り知れないだろう。

ヒロインクライシス・クライシスアクトより引用。

「な、し、失礼ねっ! 今やろうと思ってたところよ!」

少女達は各々の武器を構える。
しかし、目の前で繰り広げられる痴態に少々尻込みしている様にも見える。

「皆さん 協力して魔族を排除しましょう。私は後方からの射撃攻撃が出来ます。前衛をお願いします」

「う、うん! 前衛は任せて。いっくぞー!」

陣形

陣形は以下の通り。対象との距離が離れていると、射程の無い武器や魔法では攻撃出来ない。

テンタクルボール

前衛

後衛

「随分ちっちゃい子ねぇ……大丈夫なの?」

「あんまり怪我したくないなー」

戦闘に望む姿勢もヒロインによって様々だ。
シャロンとらうたは互いに何か言い合いながら戦闘準備を済ませた。
よしのと秋恵は至って真面目に魔物を見据えている。
ムニサは気だるそうに戦闘に参加した。

GM、我々の攻撃によって犠牲になっている少女に怪我をさせてしまう可能性は無いのだろうか?

エキストラあつかいなので、女の子は大丈夫です。
魔法の力で一般人を傷つける事はないでしょう。

エキストラ

NPCの一種で、キャラクターパラメータが設定されていない様なチョイ役の事を指す。
いわゆる「村人」。

なるほど、遠慮なく攻撃出来そうですね。

それでは開戦します。開幕で使用出来る魔法を持っているヒロインは居ないようですね。
こちらの魔物も開幕での行動はありません。

それでは、行動順番を決定します。
……まずはシャロンから行動してください。

H&K MARK23

日本ではSOCOMとして知られている、Heckler&Koch社製の銃。
シャロンはこれにサプレッサーとL.A.M.(レーザーサイトとライト機能を追加するモジュール)を装着させた状態で魔法武器として具現化させる。

シャロンがソーコムを構える。
銃にはサプレッサーとL.A.M.が取り付けられており、シャロンの中での探偵像が伺える。

「45口径、味わってもらおうか……!」

シャロン:通常攻撃

対象:テンタクルボール
武器(4) + = ダメージ(6)

触手の魔物に狙いを定め、シャロンは引き金を引いた。
魔法の弾丸が小さな音と共に発射され、一直線に魔物に向かっていく。

……が、弾丸は魔物の中心から大きく外れ、数多の触手の内の一本に掠った。
触手の先端がほんの少し削れ、魔物は少々驚いた様な動きを見せる。

…………

わぁ、ダイスの目が両方共1だ!

(ファンブルだ……)

ファンブル

多くのTRPGで、の目は最低の数値として扱われる。
ダイスロールをした際に全てのダイスの出目がだった場合をファンブルと呼び、何らかのマイナス効果がもたらされる。
ヒロインクライシスでは特にファンブルに関するルールは無い。

パラノイアなら死んでた。

(ファンブルですね……)

(セッション初の攻撃なのに、いきなりファンブル……)

「……む……足止めはした……からな」

戦闘における各フェイズ

戦闘は以下のフェイズ順に進行する。

戦闘開始フェイズ

戦闘参加ヒロインは、ポジションを宣言し陣形を組む。

ターン開始時フェイズ

ヒロインのMPが全回復する。その後、使用タイミングが「開幕」のスキルを使用出来る。

行動順番決定フェイズ

ヒロインや敵の行動順がIVの順に決定される。

能動行動フェイズ

行動順の回ってきたキャラクターの能動行動を使用出来る。

受動行動フェイズ

能動行動の対象になったキャラクターのは受動行動を使用出来る

行動終了フェイズ

敵か味方が全滅か逃走している場合、戦闘を終了する。
まだ行動順が回って居ないキャラクターが居れば、IV順にそのキャラクターの能動行動フェイズに移行する。
全員の行動が終了している場合、ターン開始時フェイズに戻る。

そそくさと銃に弾を再装填する。
頬が若干赤くなっているが、それが目の前の痴態から来るものか今の攻撃失敗に因るものかはわからない。

「偉そうな事言ってたわりには、随分な攻撃じゃない?」

「……女性にあたるかもしれないじゃないか」

(そ、そっかぁ!)

さて、次は魔物の行動ターンです。

シャロンの攻撃を受け、突然魔物が行動を開始する。
予想外の素早さにヒロインたちは困惑を隠せない。

「むう……早いな……!」

「む、なんという素早さ」

触手が勢い良く前衛ヒロイン達を目標に迫り来る。
身構える3人のヒロイン達を見定め、標的にされたのは……らうただった。

テンタクルボール:対象選択

1,2=らうた 3,4=秋恵 5,6=ムニサ
= 1

「な、なんでこっちに来るのよ!!」

「いかん、来るぞ! 避けられるか!?」

「今こそ肉盾の力を見せるときだねー」

「じ、冗談じゃないわよ! シールド!!」

襲い来る触手に対して、らうたは魔法の盾を構える。
しかし、勢いのついた触手による衝撃はらうたの予想を遥かに超えるものだった。

構えた盾を吹き飛ばされ、らうたは後方の地面に叩きつけられた。

テンタクルボール:バインディング

対象:らうた
固定値(8) +=18

らうた:シールド

らうたMP:6 → 3
ダメージ(18) – 魔力(4) = ダメージ(14)

「きゃあぁ!!」

「だ、大丈夫ですか!?」

らうた:胸APダメージ

胸AP(20) – ダメージ(14) = 胸AP(6)
バッドステータス追加:拘束

獲物が倒れ伏したのを見て、触手は勝ち誇ったかのようにその手を伸ばす。
らうたは肌に張り付く様なスーツの上に金属製の鎧を着込んでいるが、粘液で滑る触手の前ではその重装甲も意味を成さない。
触手は肌と服の間に滑り込み、あっというまにらうたの全身を拘束してしまった。

バインディング

使用タイミング:補助
能力分類:白兵・射撃・魔法
消費MP:4
射程:なし
対象:自分
エネミー専用スキル。
直後の攻撃によって対象のAPかHPに1点以上のダメージを与えた場合、対象に「拘束」のバッドステータスを付与する。

「ちょ、や、やだ! 服の中に触手が……!」

「…………(ごく)」

「わ、わわ…っ!」

シールド

使用タイミング:受動
能力分類:魔術
消費MP:3
射程:あり
対象:単体
対象に与えられるダメージを魔力の値だけ軽減する。

「拘束されてる……視線を向ける先に悩むねー」

「う、動けな……! いやっ、指の間、にゅるにゅるしないで……」

ヒロインへのダメージ

ヒロインへダメージが与えられた場合、対象となったヒロインは胸AP、腰AP、その他APのどこにダメージを受けるか選べる。各APはそれぞれの箇所の防具の強度を表すものであり、APが0になるとその箇所の防具は破壊され、その下に隠された肌が露わにされてしまう。
全ての箇所のAPが0である状態で更にダメージを受けると、今度はHPへのダメージを受ける。
HPはヒロインの身体を示すものであり、HPのダメージはそれ即ちヒロインの身体が直接陵辱されていることを示す。
敵がダメージ判定に使用したダイスの出目がヒロインの直撃値を上回った場合、APが残っていても直接HPにダメージを受ける。この場合、ダメージ量を半減させてからHPへのダメージとして適用する。

拘束され動けなくなったらうたの四肢をぬめった肉の幹が愛撫する。
靴や手袋の内部に入り込み、触手が手足の指の間を丹念に舐る。
弾力と硬さを持ったそれが這い回るたびらうたは不快感に身を捩るが、四肢を拘束する触手が身体の自由を許さない。
ぴっちりとしたスーツやソックスに触手が入り込み盛り上がっている淫靡な光景に、周りのヒロインの目は釘付けにされた。

「く、こんなっ……み、見てないで早く誰か助けなさいよっ!!」

それでは秋恵の行動です、どうぞ。

「こっのー! おねえちゃんをはなせー!」

バッドステータス:拘束

触手や縄などにより身体を縛られ、自由を奪われている状態。
あらゆる判定の数値が-3される。

(いい子だなあ……)

(あんなに小さな子まで……)

「あの子かわいいなー」

拳を振りかぶり、秋恵は魔物に向かって突進した。
触手の根本にそれらが束になって繋がっている部分を見つけ、そこに向かってナックルを振り下ろす。
鈍い音が響き、触手が怯んだ様子から手応えがあったことは明らかだ。

秋恵:通常攻撃

対象:テンタクルボール
武器(2) + = ダメージ(9)

「とおー!」

「(俺のソーコムMK23、45口径ACP弾が……年端もいかない少女の拳よりも威力がないだと……)」

触手がひるんでいますので追撃しましょう。
よしのとムニサ、どちらが先に行動しますか?

私は射撃攻撃特化なのですが、ムニサさんはなにか補助系をお持ちですか?

今は斬撃攻撃しかできないよー。

とすると、どちらが先に攻撃しても変わりないですね。
ではすみません、私から行きます!

うん、任せた。頑張ってねー。

「一気に決めます! マルチプルスナップ!!」

よしのは3本の輝く魔法の矢をつがえ、次々に発射した。
射撃精度は高く、倒れる少女や拘束されたらうたの隙間を縫って魔物の急所と思わしき場所に次々と矢が突き刺さり、破裂する。
エージェント候補生による凄まじい攻撃に、他のヒロイン達は目を丸くする。

よしの:マルチプルスナップ

対象:テンタクルボール

よしのMP:10 → 1
武器(4) + = ダメージ(10)
武器(4) + = ダメージ(9)
武器(4) + = ダメージ(11)
ダメージ(10) + ダメージ(9) + ダメージ(11) = 合計ダメージ(30)

ふぇ!?

ぶふぅっ! なんだ、このダメージ。

マルチプルスナップ

使用タイミング:能動
能力分類:射撃
消費MP:攻撃回数の二乗
射程:あり
対象:特殊
任意の回数回、射撃攻撃を行う。
ただし最大回数は「知力」÷2の値以下。

「ちょ、ちょっと! 凄そうだけど、私に当てないでよ!?」

「大丈夫です! 外したことは……最近ではあまりありません」

「…最近ではって言った? あんっ、触手がぁ……」

「大丈夫なのか……?」

「(すごい、こんな攻撃ができるなんて!)」

触手の魔物は急所に穴を開けられ小さな悲鳴を上げた。
まだ生きてはいる様だが、小さく痙攣を繰り返しており息絶えるのは時間の問題といった様相を呈している。
らうたに絡みつく触手も力を無くし、弱々しくすがるようにらうたの身体を締め付けている。

「こんのぉ……しつっこいのよ、ひぅっ……」

「……的確な攻撃だ。可哀想だが……もう長くはないだろうな」

「例え可哀想でも魔族は魔族です。情けをかけてあげる必要はありません」

それではムニサの行動順です。

「これもうほっとけば死ぬんじゃ……まあいいや、ともかく二人を触手から切り離そう」

言い終わるのが早いか、凄まじい速度で移動し手に持った刀で数本の触手を切り刻む。
魔物は力を失い、『未定』の少女の膣からごぽりと吐き出された。

ムニサ:通常攻撃

対象:テンタクルボール

武器(4) + = ダメージ(12)

らうたお姉ちゃん、いまだ解放されない…

「ちょっとぉ! なんで私からは離れないのよ!!」

拘束を解くためには、完全にトドメを刺さなければならないということか…

では、らうたの行動どうぞ。

「く、この、離せぇっ!
ヘビーアタック! どりゃあああああ!!」

らうた:ヘビーアタック

らうたMP:3 → 0
対象:テンタクルボール

武器(4) + 体力(6) + – 拘束(3) = ダメージ(14)

弱り始めた触手を強引に引き千切り、手にした盾で思い切り触手塊を叩き潰した。
粘液で濡れ、触手の切れ端を体に巻きつけたまま魔物を殴りつけるその姿は、アイドルとは程遠い。
ぶちゅる!と水温を立て、触手塊が息絶える。それはそのまま溶けるように消えていった。

らうた:補助行動

バッドステータス解除:拘束

「すんごい力だけど、アイ……ドル……?」

ヘビーアタック

使用タイミング:能動
能力分類:白兵
消費MP:3
射程:なし
対象:単体
ダメージに「体力」の値を足す。

「(触手を引きちぎって……すごい……)」

「………やったか」

「ふ、ふん……なんとも無かったわね……(どきどき)」

補助行動

能動行動を行うヒロインは、同時に以下の補助行動の内1つを行うことが出来る。

移動

前衛から後衛へ、後衛から前衛へ移動することが出来る。
また、包囲している、包囲されている等で位置取りを正確に指定する必要がある場合の移動もここで行う。

魔法の使用

使用タイミングが「補助」となっている魔法をここで使うことが出来る。

一部のバッドステータスの解除

一部のバッドステータスはこのタイミングで解除を宣言出来る。

先ほどらうたは能動行動を行ってから拘束を解除したが、拘束を解除してからの能動行動も可能である。

情報交換

魔物は撃退されました。これにて戦闘を終了します。

ふう、危なげもなく一段落ですね。

なんとも無かったねー。

あんたらねぇ……

「みなさん、お強いんですね!」

「いや……まぁ……うむ……キミもな」

「う、うぅ……アイドルっぽくないぃー」

「皆さんもご協力ありがとうございます。
しかし、安心している場合ではありません。まず彼女を……」

よしのは『未定』と名乗った少女の方に視線を移す。
少女は絶頂を繰り返した結果完全に気を失っていた。
秘所を守っていた下着は無残に引きちぎられ、先程まで純血を守っていたはずのそこは粘液と愛液に塗れている。
しかし、幸いな事にそれ以外に外傷は見当たらない。

『未定』の少女

1章1話にて登場したエキストラ。
らうたに対して自らのキーワードを教え合う事を提案し自分のキーワードを『未定』と提示したが、そのことによってルールに抵触してしまい触手の魔物を出産した。

「……アイドルの君、この子とは知り合いなのか?」

「し、知らないわよ! この子がいきなり話しかけてきたのよ。私は何もしてないわ!」

「そうか……そ……その……ぜっぜっ……ちょぅ……してみたいだが……目立った外傷はないようだ…」

シャロンは耳まで真っ赤にしながら、少女の外傷を確認する。
同い年の少女の股間など普段滅多に見る機会が訪れないが、今日はこの短時間に2度も目にすることになってしまった。

「探偵さん、かわいい」

「また犠牲者が……」

「(何か今かわいいと聞こえた気がしたが……)……取りあえずこの女性を安全な場所へ」

「保健室を借りましょう。とりあえず安全な場所に保護した後、私達の自己紹介も必要でしょうし」

「これで遅刻が帳消しに……!」

では、少女は保健室で引き取ることにしましょう。
これだけヒロインが在籍しているので、学校も柔軟に対応して邪魔の入らないよう配慮してくれます。

ヒロイン達は少女を保健室まで運んだ。
養護教諭は青ざめながら少女の容態を確認し、保健室を飛び出していった。
恐らく、他の教師に非常事態を告げに行ったのだろう。
ヒロインと魔物の戦闘が日常的になってきたとはいえ、学内で生徒が陵辱され倒れたとあっては平常通り過ごすわけにはいかない。

「……で、キミたち名前は?」

静かになった保健室内で、ヒロインたちは互いに自己紹介をする。
更に、鬼ごっこに関するルールの確認や、新たに明らかになった要素についての情報を交換した。

「明日、さらに引っ掻き回し役が増えるの!?」

引っ掻き回し役

コロナの用意した『鬼ごっこ』のお邪魔虫。
MG速報に簡単暗号が出題され、それに正解した男にヒロイン達を陥れる権利を与える。
ヒロイン同様にタッチしてキーワードを言い当てることでヒロインを脱落させる権利を持つが、権利の行使は一日一回のみ。

「……一日目で3人か。普通に考えれば二日目は6人……それ以上の可能性もある」

「そんなゲスいのが増えるだなんて嫌だよねー……女の子でも嫌だけど、男なんてもっと嫌」

鬼にされた子も私達を狙ってくるわけだよね……
うーん、でも、鬼にされた子も悩んでるかもしれないし、放っておこうかな。
不確実な悪意より、確実な悪意に対処すべき。

「良くわからなかったけど、その男たちにタッチされるとさっきの女の子みたいになっちゃうわけ? 嫌よ、そんなの!」

らうたがタッチについて触れた時、数名のヒロインがあることに気づく。

「(……っていうか、こいつらは味方でいいの?
油断して後ろから…なんて冗談じゃないわ!)」

「……それだけじゃない、キミたちの中にも犯人がいる可能性だってあるんだろう」

こいつ、探偵だって言ったかしら? 鋭いわね……要注意だわ。
他の3人は……なんか頭のなかお花畑に見えるわね。ふぅん、仲間としては上出来じゃない? こいつらを利用して参加者のキーワードを集める。そして、私以外全員「脱落」させれば私は絶対に助かる。
しかも、この街を守るヒロインをまとめて蹴落とせるわけでしょ? そしたら私はより目立てる、人気者になれる! 完璧じゃない!

「え…っ!?」

事態を把握したヒロインは、他のヒロインにタッチされない程度の距離まで後ずさった。
先ほどまで漂っていた重い空気は、更に張り詰めた空気へと悪化した。

「情報はありがたい。が、俺は……残念だがキミたちを信用しているわけじゃないからな……」

「で、でも、協力して魔族を倒したし……わたしたち、正義の魔法少女ですよね!?」

「(このちっこいのは無害そうね……)」

沈黙が場を支配する。
お互いがお互いを警戒しあい、5つの緊張した顔が並ぶ。
そんな中、よしのが一歩前に出た。

「……お互いに疑い合っていては魔族の思う壺です。
私達が戦うべき相手は魔族ではありませんか?」

「あ、あのコロナっていう子をやっつければみんな助かるのかな?」

コロナ

1章1話にて登場したNPC。
夢魔の少女で、ヒロイン達を鬼ごっこゲームへ参加させた張本人。
女の子が好きな様だ。

「この触手爆弾が解除できれば、どういう手段でもかまわないんだけど……」

「……ムニサくん、MG速報でみた暗号は覚えてるか?」
シナリオの鍵はここにある気がするのだが……

今のところ暗号か、メガロ位しかアテが無いのですよね。

メガロ

1章1話にて登場したNPC。
変身能力を持つ魔族。戦闘能力は低い。
ヒロイン達の隙を見つけては女の子を陵辱する、卑怯で姑息な奴。

「内容は覚えてるけどー……解読出来る?」

ムニサは暗号の内容を紙に書き出す。
ヒロイン達は相変わらず警戒しながらも、それぞれメモに目を通した。

判定の結果によって情報を出しましょう。
知力判定で、目標値は10ってところでしょうか。判定人数に制限はないので、全員どうぞ。

ち、知力判定…!?

ふむ、やってみるか。

「えーっと、えーと……暗号は……ここが、こうなって……」

ムニサ:知力判定

知力(3) + = 達成値(12) 成功

「ふぇ……」

秋恵:知力判定

知力(1) + = 達成値(9) 失敗

「(……? わからん……)」

らうた:知力判定

知力(1) + = 達成値(9) 失敗

「ふむ、この暗号は……」

シャロン:知力判定

知力(5) + = 達成値(12) 成功

「これは……シーザー……? いえ、もしくは……」

よしの:知力判定

知力(6) + = 達成値(11) 成功

ヒロイン達は短時間で推理を終わらせ、大半が答えを出せた様だ。
どうやら元々それほど難易度の高い暗号ではなかったらしい。
だが、解読出来なかった者も数名存在した。

シーザー暗号

各文字を辞書順に特定数前後にシフトさせる暗号。

ゆさね→(後方に1文字分シフト)→よしの
といった様な用法。

探偵の俺より知力の高いキャラクターがいたのか……!

お恥ずかしいです。それより、らうたさん……

小学生と同じ知力かー。

い、いいでしょ別に! その分体力は高いんだから!!

「ら、らうたさん、わかりました…?」

「え、あ、あたりまえでしょ! 小学生じゃあるまいし!!」

では、暗号の場所は、少し離れた場所にある児童公園であることがわかりますね。

「答えは出ましたけど……誰かと確かめたいですね」

「たぶんこんな感じだと思うんだけど、シャロンちゃん、どう?」

「うむ、間違いない……ここから少し離れた児童公園だ……」

「わぁ、みなさんすごいですね!」

「そ、そうね、児童公園だわ。秋恵にはわからなかったかしら?」

「はいぃ、パズルとか苦手で……」

「キミみたいな 脳みそ筋肉にわかる暗号とは思えないんだが……」

「(や、やな奴っ! このボサボサ頭、絶対に敵だわっ!)」

何よこいつ、馬鹿にして!
ふぅん、スタイルもいいし顔も可愛いわね……最初に「脱落」させるのはこいつに決めたわ。呑気な顔しちゃって、今に見ていなさいよ……うふふ……!

「…………?」

らうたは歯ぎしりをしながらシャロンを睨みつけるが、シャロンは不思議そうな顔で首をひねった。
どうやら悪気があって発した言葉ではなかったらしい。

……こいつは少し警戒が必要だな。好戦的で、何より我々ヒロインを見る目が他の者と違う。鬼である確率、80%ほどか……?

「身長高いし、スラっとしてるし……むかつくぅぅ!」

「……二人ともかわいい」

「と、とにかく調べてみましょう」

手掛かりを探して

一同は近所の児童公園に移動する。
平日の昼間に学生の少女が5人連れ立って歩いていることに少々視線を感じた。

児童公園はもぬけの殻だった。
ほんの少しだけ、朝方に何かここで行われた様な魔力の残り香があるが、それも今まさに消えようとしている。

「やはり…痕跡はなさそうだな」

クリティカル

前述した最低の目であるファンブルに対し、最高の目をクリティカルと言う。
やはり多くのTRPGで、の目は最高の数値として扱われる。
ダイスロールをした際に全てのダイスの出目がだった場合をクリティカルと呼び、判定が無条件で成功する等様々な恩恵を受けられる。
ダイスを多数使うルールも存在するので、多数のダイスの内の目が2つ以上出た場合はクリティカルとする場合も多い。

ヒロインクライシスでは、スキル:クリティカルヒットを取得している場合のみ効果が発生する。
能力値による通常の判定ではクリティカルルールを用いないので、この場合は1/36を引き当てられる運があるか試された様だ。

「折角暗号解いたのに……明日には暗号が示す場所も変わっちゃうのかなぁ」

魔力の残り香があるという事は、今日の場所はここで合っていたのですね。
出来る限り情報を集めて行きましょう。

ここには殆ど情報が無いようです。残り香に対して魔力判定してみてもいいですよ。ただ、最早消えかかっているので難易度は恐ろしく高いです。
6のゾロ目が出たら情報を提供しましょう。

む……本当に難しいな。まぁ、やれるだけやってみよう。

ぐぬぬ

ムニサ:魔力判定

魔力(2) + = 達成値(7) 失敗

「だめだぁ…」

秋恵:魔力判定

魔力(4) + = 達成値(9) 失敗

「(…調べ物って苦手なのよね)」

らうた:魔力判定

魔力(4) + = 達成値(9) 失敗

「……わからんな」

シャロン:魔力判定

魔力(1) + = 達成値(8) 失敗

「こういうのはちょっと……不得手ですね」

よしの:魔力判定

魔力(2) + = 達成値(5) 失敗

ヒロイン達は意識を集中させ、魔力の網を公園に張り巡らせる。
しかし、残留していた敵達の魔力はあまりに小さく、網の間をすり抜けて行ってしまった。

さっきから、らうたさんと数値もダイスの目も全く一緒……

思考のレベルが同等なのだろう。仲良くなれそうでいいじゃないか。

うるっさいわね!あんたこそ探偵の癖に何も情報を得られてないじゃない!

ここまでに得られた情報まとめ

ここまでに得られた情報と、GMとの問答で得られた細かいルールについて以下に記載する。

  • プレイヤー達5人は『鬼ごっこ』に参加させられている。
  • 『鬼ごっこ』に参加しているヒロインは子宮に魔物の卵が寄生している。
  • 鬼ごっこ
  • 各ヒロインはそれぞれ、プレイヤーのハンドルネームと同じ「キーワード」を一つずつ持っている。
  • ヒロインにタッチし「キーワード」を言い当てると、言い当てたヒロインはゲームから「解放」され、言い当てられたヒロインはゲームから「脱落」し罰ゲームとして魔物を出産させられる。
  • 発した「キーワード」が間違っていた場合、発言者は「脱落」し罰ゲームを受ける。
  • 『鬼ごっこ』なので、「鬼」が居る。「克曇満」のキーワードを持っているヒロインが「鬼」。
  • 制限時間は3日間。3回目の0時を向かえたらタイムリミット。タイムリミットに到達した場合、「鬼」がゲームに残っている場合は「鬼」以外の全員が罰ゲーム。「鬼」がゲームから離脱している場合は全員「解放」される。
  • 自分で自分の「キーワード」を自白してしまうと「脱落」、罰ゲーム。
  • 得られた情報
  • プレイヤー達5人以外にも参加者が居る。
  • まずはNPCであるヒロイン。正確な人数は判明していないが、二人ほど既に「脱落」した様だ。
  • 引っ掻き回し役と呼ばれる男達が居る。彼らはヒロインを「脱落」させる権利を持っている。権利の行使は一日一回。現状3人存在するらしく、その内一人は魔族のメガロ。
  • 子宮に植え付けられている魔物の卵は疼くことがあり、精液をかけると落ち着く。
  • 細かいルール
  • 自白に関して、「キーワード」を紙に書いて伝える等の手段も許されない。「キーワード」を自白する行為全てが禁止される。
  • 誰も居ない空間で自分にタッチし、自分の「キーワード」を言った場合も「脱落」。子宮に卵という第三者が居るため。
  • 「鬼」は他者を「脱落」させても交代しない。ケイドロに近いルール。
  • ……すまない、魔力判定は苦手なんだ。

    どうやらここに数名の男と、魔法を使える誰かが集まっていた、
    ここで何らかの魔法が使われた……程度のことしかわかりませんでした。

    むう……ここでは特に有効な情報は手に入らなかったということか。
    とすると残る手がかりは、よしのが朝会ったメガロとかいう魔族だけか……?

    この児童公園が今日の暗号で示された場所だったとすれば、暗号を解いた人が何人か集まっていた事になりますよね?
    多くは大人の男性だと思うのですが、児童公園には不釣合いでさぞ目立ったのではないでしょうか。とすれば、周囲の人に聞き込めばなにか情報が得られないでしょうか?

    確かに、児童公園という指定は怪しいな。

    いい着眼点なので、その方向の情報収集はアリです。
    ただし、現在時刻は昼を回ってそろそろ3時といったところでしょうか。時間が限られていることもお忘れ無く。

    わわ、あんまり遅くなるとお父さんに怒られちゃう…

    聞き込み調査は時間がかかりそうだねー。あんまり面倒くさいのはパスかな。

    では、キーワードを伝える抜け道も思いついたのですが……
    自分のキーワード以外のキーワードを全て挙げれば、消去法で伝えられると思うのですがどうでしょう? 自分のキーワードを口にしなければいいわけですよね。

    いいと思うけど、コロナがルール変更しないことが前提だよね。

    この先、今見えてるルールの解釈の拡大はあっても、大きく変更したり追加することはないでしょう。
    コロナとしても、ルールをころころ変えるのは美学に反するので。

    となると、メガロが持っていたリストが必要になるな。
    確か、奴とはコンタクトを取れるんだったな?

    名刺を手に入れてあります。
    しかし、魔法無効があるので戦いになったら不利です。
    可能であればメガロは避けた方が良いと思うのですが……

    私達5人居るのよ。全員ヒロインだし、少なくとも並みの男よりは強いでしょ。
    いざとなったら囲んでボコボコにしちゃえば良いわ。

    魔法無効

    魔法無効の魔法がかけられているキャラクターに対しては、MPを消費する行動が取れなくなる。
    物理攻撃等は通常通り機能する様だ。

    ち、ちょっと乱暴だけど、いけるんじゃないかな!

    なるほど、そちらの方が良さそうだな。
    武衣栄市10万人の中から、他2人の引っ掻き回し役を探すのは少々現実的ではないな。

    「決まりだね。それじゃ、メガロを呼び出すわけだけど……
    当然5人集まってる所に呼び出したら警戒されるよねー」

    「そりゃそうね。そこまで馬鹿じゃあるまいし。
    ってことは……」

    「うむ……」

    ヒロイン達は一斉によしのの顔を見る。

    「えっ……!?わ、私ですか!?」

    囮作戦

    繁華街の路地裏、道端のゴミが片付けられて居ないような汚い道に、明らかに不似合いな雰囲気のよしのが立っていた。
    よしのは落ち着かない様子で眼前の派手な建物を見上げる。
    独学で培った性に対する知識が暴走し、これから起こるであろう事を考えるとどんどんと頬が赤くなっていく。

    「これが……ラブホテル……
    少女漫画では良く見ましたが、実物を見るのは……初めてです」

    ホテル内では既に他の4人が待機している。
    よしのが囮になってメガロを呼び出し、4人はホテルの隣室で待機。部屋内にメガロが入ったら全員で入り口を封鎖しメガロを捕縛する作戦だ。
    彼女らもやはり初めてのラブホテルに少々興奮しながら室内を物色していた。

    「よしの、あんなに顔を赤くして……かわいいねー」

    「うむ……大丈夫だろうか……
    し、しかし不思議な雰囲気の部屋だな。窓も板で塞がれてて、開けるのに一苦労したぞ……」

    「開けて良かったのかしら……
    あの板、明らかに打ち付けられてたのに引剥がしたわよね?」

    「ふわぁ……しらない不思議なものがいっぱいあります……」

    そうこうしているうちに、よしのの前に今朝あった男が現れる。
    にやにやと下卑た笑顔、舐め回すような視線に不快感を感じながら、よしのは出来るだけ自然を装いながら会話する。

    メガロ「おー、今朝の『未定』じゃなかった子。さっそくかー」

    「あ、わ、わざわざ来て頂いてすいません。
    その、お腹のあたりが……変な感じになってきてしまいまして……」

    メガロ「疼いてきちゃった? 我慢出来ない感じ? いやぁ、嬉しいねぇ。
    折角引っ掻き回し役になれたのに、強引に犯すのは禁止ってコロナさんに言われちゃってさぁ」

    「そう……なんですか?」

    メガロ「俺って魔族じゃん? 引っ掻き回し役の募集は人間を対象にしてたらしくてさー。
    『あなたが来たら面白くないでしょう』なんて言いやがってさ。
    で、なんとか拝み倒したら、『キーワードを当てる前にレイプするのは禁止だけど、当てた後なら好きにしていい』って条件で参加できることになってさ」

    あまりに無神経な言葉によしのは苛立ちを募らせる。
    しかしエージェントとしての教育を受けてきた脳は、冷静に新たな情報を記憶していった。

    メガロ「ま、キーワードが当てられなくても和姦ならオッケーってね。
    子宮の魔物で発情しちゃう女の子も多いし、コロナさん様様かなー」

    「あ、あの……こういう事ははじめてなんです……だから……その」

    メガロ「気にするなよ、気持ちよくさせてやるからさー。
    初めての女の子の相手は得意なんだよねー、俺」

    メガロはよしのの腰に手を回し、そのまま尻を嫌らしい手つきで撫で回す。
    苛立ちと不快感は頂点に達し怒りに姿を変えるが、よしのはそれを飲み込み身をよじる。
    その反応に気をよくしたメガロは、今度は豊満な胸に向かって手を伸ばす。

    「(っ……調子に乗って……)
    あっ、ま、待って……待ってください……せめて部屋についてから……
    部屋の予約も、取ってあるんです……」

    メガロ「予約までしてくれたの? 用意いいなー。
    平日のラブホに予約なんて要らないけど、初めてだもんなー。色々教えてあげるよ」

    腰に手を回したまま、ホテルへ足を進めるよう促す。
    全く気乗りのしない脚に鞭打って、よしのはホテル内へと向かった。

    「入ってきたぞ……!……いっ、いいか、合図があり次第出口を抑えるんだ!
    それまでこうして……耳を当てて待つんだ」

    「合図があるんでしょ……? 壁に耳当てて、音を聞く必要は無いと思うなー」

    『ぶぃいいん』「わ、わわっ」

    「ちょっと、何やってるの…! そ、それは秋恵にはまだ早いっ!!」

    屈辱と怒りに塗れたよしのと対照的に、女4人集まったラブホテルの室内は姦しい。
    隣の部屋に到着したよしのは、気付かれないようオートロック防止にヘアピンをドアに挿み、室内の様子を物色する。
    しかし、突然メガロが鼻息を荒くし、よしのをベッドに押し倒してきた。

    「凄い……部屋ですね。ベッドも大きい……きゃっ!?」

    「さ、脱いで脱いで。シャワーとかいいから。汗のにおいとかかえって興奮するから……!」

    「い、いやっ……やめてください! そんな急に……」

    メガロは素早く自らの服を脱ぎ去り、制服の中に手が滑りこませ顔を胸に埋めてきた。
    背中を、へその周りを這いまわる手によしのの生理的嫌悪は限界に達した。
    よしのは携帯を取り出し、素早くシャロンの携帯に連絡を入れる。

    「……来た! 行くぞ、出口を抑えるんだ!」

    「合図!? 行くわよ!!」

    「は、はいっ!」

    「突撃隣の晩御飯!」

    制服の中の手がブラに触れた辺りで部屋の扉が大きな音とともに開かれ、メガロは目を丸くする。
    4人のヒロインとよしのはメガロを拘束しようとするが、動きの速いメガロはいち早く事態を把握し、窓板をはずし逃げ出そうとする。

    メガロ「やべっ、罠かよっ!どうも話がウマすぎると思ったぜ!!」

    では、ここで判定としましょう。作戦が非常に凝っているので、判定を若干簡単にします。
    よしの一人で捕まえるのは難しいので、運動力判定で目標値9を3人達成出来れば成功とします。

    「忍者からは逃げられないー」

    ムニサ:運動力判定

    運動力(5) + = 達成値(15) 成功

    「は、速い……けどっ!」

    秋恵:運動力判定

    運動力(4) + = 達成値(9) 成功

    「ここまでよしのくんが頑張ってくれたんだ、逃がさんぞ!」

    シャロン:運動力判定

    運動力(5) + = 達成値(10) 成功

    「随分色々好き放題やってくれましたね…!」

    よしの:運動力判定

    運動力(2) + = 達成値(9) 成功

    よし、捕獲成功だ。……一人まだ判定を行って居ない者が居るようだが。

    ふ、ふう。皆よくやったわ。私は判定する必要無いようね!

    らうたさん……まさか……

    結果を見せてみたまえ……

    「ま、待ちなさい、魔物! ……ぎゃっ!!」

    らうた:運動力判定

    運動力(1) + = 達成値(8) 失敗

    ヒロイン達は次々に飛び込み、全裸のメガロに襲いかかる。
    4人のヒロインはメガロに追いつき攻撃し、素早く拘束した。
    らうたは手前で転倒し鼻を打っていた。

    尋問

    ラブホテルの一室で、全裸のまま縛られて正座しているメガロを5人のヒロインが取り囲むという奇妙な光景が広がっている。
    メガロは自分の陰部が晒されていても特に気にする様子は無いが、見ているヒロイン達は少々頬を赤らめ、直接目に入れないよう目線を逸らしている。

    メガロ「すいませんでした、マジごめんなさい。あのさ、痛いからこの縄ちょっと緩めてくれない?
    あんまり女の子に縛られる趣味は無いんだよなー。あ、縛るのは好きだけど」

    「黙りなさい! まったく、こんな事二度とごめんです……」

    「いたた……転んで鼻打った……アイドルは顔が命なのにぃ…」

    「まいったか、魔族め!」

    「と、とりあえず、前を隠してくれないか……」

    シャロンは風呂場からバスタオルを持ってきて、メガロの股間を隠した。
    メガロは捕まった今でも一物を鋭く勃起させており、バスタオルの上からでもその膨らみが見てとれる。

    メガロ「全く、俺だって出したくて出してるわけじゃねーんだ。
    あんなタイミングでお前らが入ってこなけりゃ……」

    「……打ち抜きますよ?」

    メガロ「すいませんでした! とりあえずその物騒な弓仕舞ってくれよ、な? な?」

    「うむ……とりあえずよしのくん、無事か? まっ……、まく……は、やぶ、やぶやぶ……」

    シャロンは変身したよしのの下腹部辺りを見て、なにかブツブツと呟いている。
    うつむき加減でその顔は赤い。

    「どうしたのですか? メガロのを見て気分でも……?」

    「はやぶさ?」

    「違う! 膜は破られなかったかと聞きたかったんだ!」

    明らかにハードボイルドを履き違えた台詞が炸裂する。

    「…………はっ」

    「うわー……」

    「まく……??」

    「ま、膜って……」

    「乙女の純真……」

    「…………」

    「シャ、シャロンさんどうしたんでしょうか。普通な方だと思っていたのに……」

    「ええーい! どうでもいいだろう! さあ知ってることを教えてもらおうか!」

    メガロ「何でも答えるからさー、痛くしないでくれよ」

    敗北したメガロはすっかりしおらしくなり、さっきまでのちゃらけた態度はすっかり消え、助けを求めるような態度に入れ替わった。
    特にコロナに肩入れしているという訳でも無さそうで、メガロの適当な性格が伺える。

    さて、いくつかこの魔物に質問することが出来ます。何について詳しく聞きますか?

    「まずはコロナに貰ったというリストが見たい。
    参加者の数は非常に重要な情報だからな。」

    「そうだねー。人数もわからないままじゃ、いつ後ろから刺されてもおかしくないし」

    そう、後ろから……
    鬼にされた子が、このまま円満解決に協力してくれるといいんだけど、ねー。

    メガロ「そんなら俺の上着のポケットに入ってるぜ。
    あ、上着汚さないでくれよ。結構高かったんだからさー」

    ムニサが脱ぎ捨てられていた上着のポケットを漁ると、一枚の紙を見つけた。
    中には「鬼ごっこ」に参加しているメンバーと、キーワードがリストアップされている。
    メンバーとキーワードはヒモ付されておらず、メガロと他2人の引っ掻き回し役によって集められた情報がメモ書きとして書かれている程度だった。
    リストに並んでいる顔は9人。ここに居る5人と、今朝シャロンが遭遇した路地裏の少女、らうたと会った『未定』の少女、他2人は夢の中で見覚えがあるが、まだ現実で会ったことは無い様だ。

    「なるほど……我々の他にはあと二人、ヒロインが参加しているのか。」

    「キーワードとメンバーの組み合わせに関するメモが3つ……私の場所に書かれている文はメガロ、あなたの字ですね?」

    「メモ書きが3つあるってことは、引っ掻き回し役の3人は今日の権利を全部使ったってことよね」

    このメモ……他の引っ掻き回し役の連絡先が書いてあるわ。引っ掻き回し役は奴ら同士で連絡を取り合っているのね……
    ……こいつら、使えるんじゃない? こいつらはタッチして間違ったキーワードを言っても特に何の罰ゲームも無いわけよね。ってことは、安全にキーワードをチェックできる手段として使えるってことよね。……うふふ、連絡先を覚えておきましょう。

    さて、まだ質問出来ます。他に聞くことはありますか?

    卵の解除方法もあるなら知りたいですね。

    卵の疼きを鎮める方法を知ってるんだったら、取り除く方法も知っている……とは考えられないか?

    同じ魔族なので、コロナの居場所とか知らないでしょうか?

    取り除く方法を聞くこともできます。
    しかし、それ以外の情報はここでは手に入らなくなります。

    なに……二者択一か……

    ここは慎重に相談して決めましょうか。

    重要な分岐点になりそうね……

    まず卵の解除法だけど、現実的に可能な解除法なのかな……?
    とんでもないのだったら困るよね……

    に、妊娠すれば取れる……とか、わかっててもどうしようもない情報とかだったら無意味だな。

    そうですね、コロナの居場所の方が情報の確実性は高いですね。

    解除方法をコロナに聞く、ってのもアリだしねー。

    コロナをやっつけて、解除させるってのもありかしら?

    正義のために、魔族はやっつけないと!

    気が合いますね。

    ま、真面目勢…!

    現状では卵も疼いていないし、コロナの居場所聞く形で良いと思うな。

    それでは、コロナの居場所を問いただしましょう。

    相談が終わり、よしのがメガロに向き直る。
    弓には矢がつがえられ、いつでも発射できる状態だ。

    「このゲームの主催者であるコロナという魔族を知っていますね? 彼女が今どこにいるか答えなさい」

    メガロ「わ、わかったよ、コロナさんに会える方法なら教えるからさー
    その代わり、これに答えたら解放してくれよー」

    「あなたは交渉できる立場に居ると思っているのですか?
    答えないというならその汚いモノを吹き飛ばすだけです。」

    エージェント候補生としての経験か、よしのは魔族の男に対して物怖じせず脅迫を続ける。
    その眼光は鋭く、普段の温厚な性格からは想像がつかないほど冷たい視線をメガロに浴びせている。

    メガロ「ひっ……わ、わかったよ、答えるよ!コロナさんは、普段は実体化してないからどこにもいねーんだよ。
    だからさ、会える時に会わないと会えないの」

    「では、その会える時と言うのはいつですか?」

    メガロ「明日の朝、また引っ掻き回し役募集するからさ。それに行けば会えるのよ」

    「……なるほど……その時は実体化しているのか?」

    メガロ「してるしてる。今日の朝、実体化して実際に会ったから、
    その時かけてもらった魔法避けでおまえらの魔法が効かなくなってるんだもん」

    「霊体的な状態になれるのか……厄介ね。」

    「明日の朝頑張ろうかー。今日出来ることは明日やろう」

    メガロ「実体化してないと、向こうからこっちにも何もできないよ。でも、馬鹿にしたりすると、夢の中でいじめられるんだ」

    「なるほど……暗号の場所に集まるときだけ、実体化して参加者に魔法をかける。
    その後どっかに消えてしまう……と」

    「魔法避けの魔法が自分にも使えるとすると、相当強敵に思えますね……」

    「あの馬頭がどう動くかも心配だねー。向こうの戦力は相当大きいよ」

    メガロ「コロナさんは好奇心の塊だからさ、ちゃんと合言葉解いて会いに行ったらサービスしてくれるんじゃないの? 他人と喋るの好きそうだしなー」

    「交渉は可能か……」

    メガロ「それと、会いに行くならさ……」

    メガロは暗号を簡単に解くためのヒントを語った。

    メガロから暗号を解くためのヒントを得ました。
    明日以降の暗号を解読するための判定が若干簡単になります。

    「いい情報じゃない。これはとてもありがたいわ」

    「確かにキミとっては最も必要な情報かもしれないな」

    メガロ「な? 俺、結構役に立っただろ? だからさ、もう帰っていいだろ? ね? ね?」

    メガロは相変わらずヘラヘラとした態度で懇願する。
    しかし、よしのの冷たい視線に長時間当てられて、徐々に余裕を無くしているようにも見える。
    懇願されてもよしのの視線は変わらない。むしろ、用済みになった魔物に対してより一層殺意が強くなったようにも見える。

    「私が魔族を見逃すとお思いですか?」

    メガロ「ひいぃっ!?」

    「よしのの目が血走ってる……意外とマトモじゃないのかも、この子…」

    「よしのくん、こいつを倒せばコロナの機嫌を損ねるかもしれない。」

    「よしのさん、情報をくれた人をやっつけちゃうのは、正義っぽくないよ……」

    よしのは考えた末弓を降ろした。メガロを足蹴にし、背を向ける。

    「……そうですね、やめておきます」

    「……こいつはまだ泳がせて情報を引き出せるだろう」

    「はぁ、疲れた。こんなアイドルには一生縁のない場所、さっさと退散しましょ」

    「今日はよく頑張った」

    「じゃあね、魔物さん。もう悪いことしちゃダメだよ?」

    メガロ「お、おーい? ちょっと待ってくれよ! この縄解いていってくれって、おーい!!」

    ホテルを出ると、既に時刻は夕方だった。街は赤色に染まり、繁華街に出ると学校帰りの学生や買い物をする主婦で賑わっている。
    最早5人のヒロイン達が制服のまま歩いていても何の違和感も無い風景になっており、5人のヒロイン達は自分たちが日常に戻ってこれた様な錯覚を覚える。
    しかし鬼ごっこは始まったばかりだ。魔物たちは胎動を始める。ヒロイン達を底の無い陵辱の沼へと誘うために……


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